HOME > 和菓子の教室 > レシピ 栗かのこ




栗きんとん



栗きんとん 栗かのこ

伝統栗菓子の王者・栗きんとん
あの高価な栗きんとんが自宅で出来る

市販の栗を使用した、栗菓子の定番「栗きんとん」の作り方

● 材料:市販の栗、約1キロを使用 出来上がり 20個分
新栗・・・1キロくらい(大粒でしっかり実の入っている重量感ある、新鮮な栗を選ぶ)
和三盆糖・・・適量 (50グラム〜100グラム)粉砂糖でも可
餡を中に入れ包む場合・・・小豆餡または白餡 適量

● 準備するもの
煮鍋、または蒸し器、すり鉢(ボールでも可能)、
約30センチ角のサラシ布 (薄手の布巾やハンカチでも代用出来ます)

● アドバイス・知恵
今回はスーパーの新栗を選びました。これでも充分に美味しいのですが、満足のいかない方は特産地銘柄品を使用して下さい。
使用する栗は、新鮮な物で重量感あるものを選んで下さい。
穴の開いたもの、水に浮かぶ未熟なもの、長期冷凍もの、柔らかなものは避けて下さい。



栗きんとん
● 作り方
栗きんとん 栗かのこ
(0) 蒸し器を利用する場合
蒸し器を利用する場合も、鍋で煮る場合も仕上がりには、それほど違いはありません。作業前には栗をよく洗って、虫穴が無いもの、軽すぎるもの、シワになっていない完全な栗を選んで下さい。(水に浮かぶものは絶対に不可ですよ)
栗きんとん 栗かのこ
(1) 今回は鍋を利用しました
しっかり選別した栗を鍋に入れ、たっぷりの水を入れて煮始めます。
煮る時間は1時間くらいです。
30分くらいで果肉は柔らかくなりますが、ポイントは栗味をしっかりしたものにするためと、後の作業のためにも鬼皮までも柔らかくすることです。
栗きんとん 栗かのこ
(2) 栗を半分にカットする
鬼皮まで柔らかくなれば火を止めて、鍋からな栗を10個ほど取り出し半分にカットします。残りの栗はお湯に浸けたままにしておいて下さい。全部の栗を先にお湯から上げてしまうと鬼皮が乾燥して堅くなってしまいますので少しずつ出してカットすることをお勧めします。
栗きんとん 栗かのこ
(3)栗の中味を取り出す
最初からスプーンでかき出しても良いのですが、鬼皮が柔らかくなっている栗は指先で簡単に押し出せます。このために鬼皮まで柔らかく煮た訳です。
取りだした栗の実は乾かない様にして下さい。
栗きんとん 栗かのこ
(4) 残った果肉を取り出す
うまく取り出せなかった果肉はスプーンで取りだしてください。
このときに渋皮までも取り出さないようにして下さい。
渋皮は栗の味を極端に悪くしてしまいます。
(5)不良品は捨てる
カット断面を見て下さい。外観は良さそうに見えていても、カットしてみると不良品もありますので、そんな栗は思い切って捨てて下さい。味の悪い不良品が少しでも入ると全ての味までもが悪くなってしまいます。
栗きんとん 栗かのこ
(6)
1キロの生栗から出来た栗果肉です、けっこうな量になるでしよう。
さぁ乾かないうちに次の作業に移りましょう。乾いてしまうと風味や食感が悪くなってしまいます。
栗きんとん 栗かのこ
(7)すり鉢ですり潰す
出来上がった栗果肉をすり鉢に入れて押しつぶし、その後で磨りつぶして下さい。すり鉢が無い場合は、ステンレスボールなどでも代用出来ますが、滑らかさが不足しますのでしっかりと押しつぶして下さい。フードプロセッサーでも可能ですが攪拌しすぎると風味が無くなります。
栗きんとん 栗かのこ
(8) ここがポイント
この磨りつぶし加減で栗きんとんの味が決まってしまいます。
栗の風味をしっかりと残したい場合は粒栗が多く残るようにします。逆に滑らかな食感が欲しい場合には、充分に磨りつぶして下さい。
栗きんとん 栗かのこ
(9)和三盆糖で甘さを調節
和三盆糖は必ず篩ってから使用して下さい。和三盆糖を少しずつ加えて好みの甘さに調整して下さい。栗によっては和三盆糖を入れなくても充分に甘味がついているものもありますので、ご自分の舌で確かめながら和三盆糖を加えていって下さい。
(上白糖やグラニュー糖は溶けにくいので避けて下さい)
栗きんとん 栗かのこ
(10) 和三盆糖が溶ければ完成
和三盆糖が均一に混ざれば生地の完成です。
和三盆糖が混ざりきらずに仕上げてしまいますと、後で蜜状になって溶け出してきますので気を付けて下さい。
栗きんとん 栗かのこ
(11)
すり鉢から取り出します。上手に出来た「栗きんとん」生地はベトつかずに比較的さらっとしています。この段階でベトついていれば砂糖の入れ過ぎや、栗質の水分過多が考えられます。
栗きんとん 栗かのこ
(12)切り分けます
栗きんとん生地を均等に分けて丸めておきます。
栗きんとんに小豆餡を入れる場合には、小豆餡も切り分けておいて下さい。一個の重さは50グラムくらいがいいと思いますが、お好みで決めて下さい。約20個分くらいは取れます
栗きんとん 栗かのこ
(13)成型(型取り)
固く絞った布巾に、丸めておいた栗生地を載せて絞り込むのですが、上部になる方に気をつけて下さい。単に一色なら気にする必要はありませんが、緑色の織部にしたい場合や咲き分けに仕上げたい場合などには位置決めに注意が必要です。
栗きんとん 栗かのこ
(14)しっかりと絞り込み
ここでしっかりと堅く絞り込みます。布巾が分厚いと絞った模様が綺麗につかずにぼやけた型どりになってしまいますので、薄手の布巾を使用して下さい。
しぼりが緩い場合にも綺麗に仕上がりません。
栗きんとん 栗かのこ
(15)少し緩めて型どりを決める
最後に三本の指先で形を整えるのですが、(14)で堅く絞ったままでは、型どりが出来ませんので、少し緩めて押しつぶす要領で型どりします。
何個か仕上げている内に要領もつかめます。失敗すれば丸め直してやり直せます。
栗きんとん 栗かのこ

(16)小豆餡を包み込む場合には
栗きんとんに小豆餡(あるいは白あん)を入れる場合は栗生地2に小豆餡1の割合とします。餡は中心にくるように包みますが、慣れないうちは栗生地を大きく広げてから包むようにすれば上手くいきます。
栗きんとん 栗かのこ
(17)餡と咲き分けにする
栗きんとんの中に餡を包み込まずに咲き分けにするのも味があっておもしろいものです。
また栗生地を半分取り分けて緑色に染めてから、同じように咲き分けにするのも良いでしょうね・・


恵那(中津川)風な栗きんとん(茶巾しぼり)に仕上げたいのですが・・・
駿河屋の菓子教室は勘どころを上手に解説されているので大のフアンです。よろしくご指導下さい。

ここで取り上げた栗きんとんは一般的な栗きんとんですが、「恵那風な・・」とはどのメーカーのを指しておられるのかが判かりませんが、比較的堅めな栗きんとんと解釈してご説明します。栗きんとん 栗かのこ
中津川で見かけるやや堅めな栗きんとんですが、これら商品において各店それぞれが長年の研究から創造されたものですので私には詳細を述べられませんが、栗パウダー(乾燥栗粉)を作って工程(10)で混ぜれば、似たようなものを作ることは出来ますので参考にして下さい。
<お勧め>
お勧めの方法としては、(6)のところで取りだした栗の身をレンジで軽く加熱し水分を飛ばす方法です。でもやり過ぎてパラパラに乾燥させては食味も落ちますのでご注意を・・・・
栗パウダー(乾燥栗粉)の作り方
工程(6)で出来た栗の果肉を焙炉・オープンなどで充分に乾燥させてから、石臼或いは粉砕機でさらさらのパウダー状にする。
 
仕上げた後でベタつくのですが・・・
栗きんとん 栗かのこ
・・いつも参考にさせていただいています。栗きんとんの底がベトつくのですが・・

ご使用になった砂糖がグラニュウ糖だったからです。
ここで粉砂糖を使用する理由は、栗生地に余熱がほとんどなく、砂糖が溶けにくいのです。
ですから溶けやすい和三盆糖あるいは粉砂糖を使用しています。
粒子の粗い砂糖を使用しますと溶けるまでに時間が掛かり、成型した後で溶け出し、その結果ベトついてしまうのです。また、栗生地と中餡の糖度差が大きいと、底部が蜜状になったり、外側が乾いたりします。
沢山作りたいのですが、長期に保存する方法は・・・
駿河屋さんのサイトを参考にさせて頂き、マロングラッセに挑戦しました。とても最初とは思えない出来映えに感謝しています。栗きんとんをもっと沢山作りたいのですが保存方法を教えて下さい。栗きんとん 栗かのこ

この栗きんとんレシピは味を重視していますので保存性はありません。でも1ヶ月程度なら冷凍することで可能です。それ以上はどうしても風味が落ちるのと乾いてきますので、この辺を目途に製造量を決めて下さい。
ラップなどで一個ずつ丁寧に包んでから冷凍して下さい、これでも数週間が限度です。美味しいものは新鮮な内に、が鉄則ですね。
もっと粘りのある仕上がりにするには
・・正直申しまして私も同業者ですが、まだまだ修行も足りずここでお世話になっています。
いつも、栗きんとんに挑戦するのですが、パサパサのものしか出来ませんでした。もっとしっとりとした粘りのある栗きんとんに仕上げたいのですが、ご教授願えませんでしょうか。

国産優良産地のものなら上手くいくはずですが、コスト的に無理があるなら次のことに注意して下さい。
思い当たることがあれば修正して下さい。
1.栗の選別
栗の品質は産地、収穫時期、品質などにより大きく変わります。取引業者さんから希望する品質の栗を納入してもらって下さい。とくに輸入物(中国産の冷凍物)には注意して下さい。
輸入物を使用する場合は、しっかりした業者の栗ペーストをお勧めします。これは現地で収穫直後のものを加工し、仕上げてありますので粘り具合もしっかりしたものが入手出来るはずです。
2.缶詰
缶詰の栗を使用する場合は餡などの補助材を加えなければ上手くいきません。補助材でごまかしてもお客様を騙すことは出来ませんので安易な製品は出さないように心掛けて下さい。
3.粘りを出すために
国産ものでどうしてもパサつく場合には、蒸し上げ直後の餅生地を加えることも可能です。この場合にはフードプロセッサーの使用をお勧めします。併せてSEなどの粘性のあるものを併用して下さい。
フードプロセッサーの使用だけでも結構粘りが出ますが、・・・お試し下さい。
和三盆糖を使う理由は、
・・・メールでは和三盆糖を使用するとありましたが、他の砂糖では出来ませんか、?
そんなことはありません。
粉砂糖や上白糖、グラニュー糖でも出来ます。特にグラニュー糖をご使用になる場合は、溶けにくいので生地に余熱があるタイミングで入れて下さい。和三盆糖を使用されると他の砂糖よりも風味がまるで違ってきますので、一度お試しされては如何ですか・・・・

和三盆糖詳細
 



不許複製(著作権は宇治駿河屋にあります)
創業明治43年 御菓子処・宇治駿河屋[うじするがや] 
〒611-0021京都府宇治市宇治蓮華41
Copyright (C) 2004 10 UjiISURUGAYA ,Ltd.



皆さんにみてもらいたいから、ちょっとだけコマーシャルを入れさせて下さいね・・・<栗きんとん>レシピ 栗きんとんの作り方 
このサイトは和菓子の通販・宇治の駿河屋が展開する和菓子レシピのサイトです。Webサイト一番の詳しい和菓子のレシピを目指して頑張ります。
キーワードは、栗きんとん 栗きんとん くり 渋皮煮 マロングラッセ 栗餡 栗の渋皮煮 栗渋皮煮 新栗 丹波栗 和菓子 駿河屋 京菓子 レシピ 餡 あん です。