お名前 = KMさん
国・県 = 岐阜県
ご質問欄 = 小豆で「かのこ」を作りたいと思い、単純に小倉あんを作る一歩手前でやめればいいのかしら、ととりかかりました。途中で小豆が煮くずれだして、小豆の原型を保つのが難しくなり、とうとう小倉あんになってしまいました。 私の発想するようにそんな単純なものではなかったんでしょうか?注意すべき点などを教えてください。
<プロからのアドバイス>
かのこ豆を作るには、絶対に必要な道具(網篭)がいります。これは豆が膨張して割れるのを防ぐもので、鹿の子豆には無くてはならない道具です。
このカゴ無くてはどんな名人でも上手く「
かのこ豆」を作れません。
かのこ用の篭は、丈夫なステンレス網で出来ており、篭本にあった蓋も必要で、この蓋を固定する装置も必要です。(落とし蓋ではダメです)
まず、小豆を煮始め渋きりも終え、1時間ほど煮ると目いっぱいに膨張しますね
豆が目いっぱい膨らみ蒸らみ、蒸らしに入る前に篭に小豆を移し替え蓋を固定しますが、・・
小豆が目いっぱい膨張したのを見計らい、豆が割れるまでに蓋をして豆を固定することが大切で、まだ豆が膨張しきっていないのに蓋を固定すると、豆はこれ以上吸水できずに芯のある鹿の子豆が出来てしまいます。
落とし蓋のように、蓋を固定せずに煮あげると、豆が吸水しすぎて腹割れし、小倉あん状態になってしまいます。
要は、目一杯膨らんだ小豆を篭に押し込めて固定し、小豆がこれ以上吸水しないようにして腹割れさせない工夫です。
十分に小豆が芯まで柔らかくなれば、別に造っておいたシロップに金網篭ごと(蓋も固定したまま)密漬けし、じっくりと漬け込み、砂糖を加えて加熱し指定の糖度なれば1日ほど放置し、密から篭を引き上げ、豆を篭から出して完成です。
糖度が不足していれば密漬け作業を繰り返しますが、完成までには2〜3日かかります。
鹿子豆が出来た後には多量の蜜が残りますが、仕方ありません。
かなりおおざっぱな説明ですが、かのこを作るのには、ベテランでもなかなか上手く行かないものです。
また行程もこの説明では不十分ですが、概要はお解り頂けたかと思います。
やってみて判らないことが出てきましたらまた質問して下さい。
(岐阜県KMさんからのご返事)
早々にありがとうございました。 「かのこ」を甘くみてました。 すごい行程が必要なんですね。私なんかがとても手をだせるものではないと、少々恥ずかしい思いでおります。丁寧なご説明ありがとうございました。 近所の製菓材料屋さんで、「かのこ」が売られていますので、そちらを頼りにしようかと思います。未熟者が失礼しました。そして、ありがとうございました。
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