【冠】 出産から長寿祝までの贈答基礎知識
帯祝い
帯の祝いとは、妊娠五ヶ月目の最初の戌(いぬ)の日に、無事安産を願って妊婦の腹部に岩田帯を巻く習慣なのです。十二支の戌の日が良いとされるのは、犬はお産が軽いことから、それにあやかり、無事安産である様願って、この日が選ばれました。医学的にもお腹の赤ちゃんを保護することとなるので必要なのですよ、・・・
岩田帯は、妊婦の実家から贈るのですが、よい子宝に恵まれた懇意な間柄の夫婦から贈ってもらったりもします。
出産祝
ご出産内祝いは、赤ちゃんの出生を知らせたところには全部に配るものです。
出産の内祝いというのは、お祝い品をいただいたことのお返しではありませんから、出生を知らせたところ全部に配るのが本当です。
タイミングとしては、お宮参りの日、またはその前後に贈ります。京都では紅白の上用饅頭、紅白の餅を内祝いとして配るのが昔からのしきたりです。これは出産祝祝いをいただいたお返しも兼ねます。
お宮参り
お宮参りには、内祝いというほどの改まったお返しはありませんが、お宮参りを済ませた後、御祝品をいただいたお宅に千歳あめなどを配ってお礼にお伺いします。訪問されたお家では、魔除けを意味する犬の張り子やでんでん太鼓を贈っていましたが現在ではどうでしょうか・・
初節句
初節句というのは、赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句のことで、男の子は五月五日の端午の節句、女児は三月三日の桃の節句にお祝いをします。
初節句のお祝いには武者人形・雛人形を贈ります。初節句のお祝いに招かれた場合、贈り物をすでにしてあれば手土産の必要はありませんが、そうでない場合は、当日の集まりに役立つお菓子や果物を持参するとよいでしょう。
七五三のお祝い
七五三は、数え年五歳(地方によっては三歳と五歳)の男の子と、三歳と七歳の女の子のすこやかな成長と将来の幸福を願って、氏神様にお参りする行事なのです。七五三の祝は親が子の為に祝うもので、他人からお祝をする事はほとんどありません。お参りする神社には、のし付の赤白水引のかかった金封に初穂料と書いてお納めします。
七五三のお祝いを頂いたお返しは千歳飴や赤飯を使います。
十三詣り
京都には、十三詣りと言う風習があるのです。これは四月十三日に京都嵐山の渡月橋を渡ったところにある法輪寺にお参りし、数え年十三歳になった子供に、智恵を授けていただく風習なのです。おもしろいのは、お参りをしての帰り道、渡戸橋を渡り終えるまでに後ろを振り返ると、せっかく授かった智恵が無くなってしまう、といって決してうしろを振り向かない風習があるのです。
入園・入学・卒業祝
この行事に関しましては、京都地方独特のしきたり・風習と言ったものはありません。
成人式
現代では、一月の第2月曜日を成人の日と定め、満二十歳になられた男女をお祝いたします。お祝のお返しは、内祝を兼ねてなされるのもいいでしょう。
結婚記念日
この風習は日本古来のものではなく欧米のものをとり入れて一般に広まったものです。この記念日は年数によってそれぞれの名称がっけられております。お祝を贈られる場合は、のし付の赤白の水引のものか、金銀の水引のものをご使用し○○式御祝等と書きます。お祝をいただかれた当事者の方は、内祝をお配りいただくのが一般的です。
☆ 結婚記念日
1年目 | 紙婚式 | 6年目 | 鉄婚式 | 11年目 | 鋼鉄婚式 | 20年目 | 磁器婚式 | 45年目 | サファイア婚式 |
2年目 | 木綿婚式 | 7年目 | 銅婚式 | 12年目 | 絹婚式 | 25年目 | 銀婚式 | 50年目 | 金婚式 |
3年目 | 革婚式 | 8年目 | 青銅婚式 | 13年目 | レース婚式 | 30年目 | 真珠婚式 | 55年目 | エメラルド婚式 |
4年目 | 花婚式 | 9年目 | 陶器婚式 | 14年目 | 象牙婚式 | 35年目 | 翡翠・珊瑚婚 | 60年目 | ダイヤモンド婚式 |
5年目 | 木婚式 | 10年目 | 錫婚式 | 15年目 | 水晶婚式 | 40年目 | ルビー婚式 |
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長寿祝 ( 還暦・古稀・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿・百賀 )
ご長寿のお祝いを敬老の日にされる方もありますが、このお祝いは誕生日にされるのが本来の姿です。
還暦(かんれき)
数え年六十一歳のお祝いで、本卦還えりとも呼ばれ、生まれ年と同じ干支にもどるためです。長寿を迎えた人への御祝には寿と書いて贈ります。しかし今は人生長寿命時代、無理にお年より扱いはしないのがエチケットで本人の意向にしたがうべきしょう。当人からは紅白万寿などを親戚・知人に贈ります。
古稀(こき)
数え年七十歳のお祝いで、中国の詩人、杜甫の詩に「人生七十古来稀なり」と言うのがありここから起った由来です。
しかし七十歳でも元気で活躍中の方もおられますので、還暦同様本人の意向にしたがうべきしょう。
喜寿(きじゅ)
「喜」の字の略字が七十七に見えるところからこう呼ばれるようになりました。喜寿以上になりますと長寿といわれるのに相応しい年齢ですから、誕生日には皆さんで温かく祝ってあげましょう。
傘寿(さんじゅ)
数え年八十歳の祝で、傘の字の略字が八十に見えるところからこう呼ばれるようになりました。
米寿(べいじゅ)
これも、米の字を分解すると、八・十・八になるところからこう呼ばれ、数え年の八十八歳をお祝します。
卒寿(そつじゅ)
数え年の九十歳の祝で、卒の字の草書体を「卆」と書くところから由来しています。
白寿(はくじゅ)
「百」の字から「一」の字を取ると「白」となるところから、数え年の九十九歳を白寿と言ってお祝します。
百賀(ひゃくが)
文字通り、百歳をお祝します。