結納
結納は婚約の証として男性側、女性側の双方が品物やお金を取り交すことをいいます。関西地方では、結納品、目録、家族書、親族書などを整えて広蓋にのせ、袱紗で覆いこれを紋入風呂敷に包んで取り行いますが、結納の習慣やしきたりの違う両家が取り行うときは、両家や仲人の間で充分に話し合うことが必要です。
時期
結納品を納める時期には約束事はありませんが、結婚式のおよそ半年ほど前に取り交わします。納める日は大安・友引・先勝等の吉日を選び午前中に納めます。
結納品
婿方から嫁方に贈られる結納品は、熨斗(のし)、末広(扇子)、帯地料(結納金)、柳樽料(祝酒料)、松魚料(酒肴料)の五品が基本となり、これらの品にそれぞれに鶴、亀、松、竹、梅の水引飾りを添えます。
結納はこれら基本五品で形が整いますが、この五品に婚約指輪・白生地・友白髪・高砂人形等を添えた七品あるいは九品の結納飾りもあり、品目は両家同じ数のものをそろえて交換します(同種・同価格ということではありません)。しかし六品あるいは八品は割れる数とも言われ慶事には用いません。
結婚祝いの品
結婚のお祝い品は当人たちの結婚後の生活を考えたうえ、新郎新婦に喜ばれるものを贈るのが一番です。親しい間柄ならば率直に予算をいって、当人たちの希望の品を贈りたいものです。
贈る品物を迷った場合は、一家に複数あってもよいもの(食器、時計、花器、電気器機など)がいいでしょう。グループで贈る場合は、当人たちの希望を聞いて家具や電気製品などの金額の張る生活必需品を贈ると喜ばれます。また適切な品物が選べなかったり、当人が希望したときは現金を贈ってもいいのです。
親しい間柄で結婚祝いの品をデパートなどから発送してもらう場合は、結婚祝いであることを店の人に告げて、金銀の水引をかけ「御祝」と表書きをしてもらいます。合わせてお祝いのメッセージを添えるのも喜ばれますよ。
結婚祝いの品を持参する
結婚祝いの品は挙式の一週間ぐらい前までには持参します。包みの表書きは<ご贈答の表書き一覧表>をご覧下さい。
お祝の金包みは、金銀の水引に熨斗・末広をつけ、これを白木台(片木台)の上にのせます。これを広蓋にのせ、袱紗をかけて出すのが正式で、午前中にお届けすることも大切です。
使用するこれら道具類はお祝道具店でセットとして販売されていますので、これを利用すればいいでしよう。
<白木台(片木台)・袱紗・広蓋はお道具の項を参照>
引き出物
結婚披露宴にお客様を招待したとき、主人側からお土産として持ち帰ってもらうのが「引き出物」です。
昨今、引き出物と内祝い品とが同一視されていますが、本来引き出物と内祝いの品とは別の物です。ですから、お土産とは別に内祝いの品を準備し表書きは「内祝」と書いて喜びの品とします。
引き出物は、出席してくださった全員に同じものを出します。主賓格の人にだけ特別のもの、というのは正しい出し方ではありません。引き出物は、都合で欠席した人へもあとから贈ります。
結婚内祝の品
結婚のお祝いをいただいた方へはお返しをしますが、披露宴に招待した人には、招待がお返しの意味ですので、お返しの必要はありません。招待したが出席できなくてお祝いをいただいた人、招待しなくてお祝いをいただいた人にはお返しをします。お返しはお祝いの半額位が一般的です。
京都では、結婚内祝の品は紅白の上用万寿をお配りするのが習わしですが、最近ではこれにこだわらず実用的なものも使われます。お返しは先方の都合に合わせて持参するのもいいですし、品物によっては心のこもったお礼状を添えて、お店から発送してもらうとよいでしょう。内祝いの品には紅白の水引をかけ「内祝」とし、下には新婦の名だけ(嫁入りの場合)を記します。ただし、親の関係でお祝いを贈られたときは実家の姓を書く場合もあります。