【配合】
栗…1kg
重曹…小さじ1
グラニュ糖…500g
【行程】
鬼皮をとり渋皮を傷つけないようにむいて鍋にいれ、重曹を加えて強火で沸騰させた後、弱火で30分ほど煮、水を捨てて流水にさらす。途中何度か水をかえながら煮ます。茹でた栗を水にとり、渋皮の表面の筋を取り除く。渋皮を傷つけないように表面がツルツルになるようにする。鍋に水と砂糖を入れてとかし、栗を入れ弱火で30分ほど煮る。栗を取りだし、煮汁を半量に煮詰める。再び栗を戻し入れ漬ける。翌日密から上げて乾燥さす。
【お尋ね内容】
この秋渋皮煮もここのレシピで完成しました。いまマロングラッセをいろいろ試作してまが、それらしい物にはなりません。市販のマロングラッセは乾いた状態なのに私のはべとべと状態です。とうすればいいのか教えて下さい。
【アドバイス】
まずお断りしておきますが、マロングラッセと渋皮煮は製法は似ておりますが、仕上げ方が異なります。
マロングラッセは渋皮煮とは比べものにならないくらい程時間が掛かり、最後の煮詰め加減もかなりの経験が必要です。
<マロングラッセには重曹は必要ありません>
まずマロングラッセは渋皮煮とは違い渋皮を取り除いてから煮ますので重曹は必要ありません。
でも、この渋皮を取り除く作業が大変なもので、根気がなければ美しいマロングラッセには仕上がりません。
イタリア・フランス産のものと異なり、国産の栗は渋皮を取り除くのが大変面倒なものです。作業を少しでも軽減するためにも、大粒で重量感のある新鮮な栗を選ぶ必要があります。(・・・ですから日本では渋皮煮が主流なのですが・・・)
<渋皮を取り除く方法>
沸騰しているお湯を準備し、栗をこの中に数分間浸けることにより、剥がしやすくくなりますが、長時間煮すぎて栗果肉が柔らかくなってしまうと逆に剥きにくくなります。面倒でも数個ずつ皮むきをしたほうが良いですね、・・・栗を全て一度に熱湯に浸けるような乱暴な作業をしてはなりませんよ。(必ず困惑しますよ)
(渋皮煮と同じように)栗を煮るのですが、渋皮煮よりも時間を(60分くらい)掛け、充分に柔らかくし、すこし蒸らしてから砂糖1キロをいれ一晩置きます。
−−−糖分をゆっくりと浸透させるのです。−−−
翌日には砂糖1カップほど加え沸騰させ砂糖が溶ければ火を止め一晩放置します。
その翌日も同じ工程を繰り返します。
−−−数日間繰り返す−−
気をつけて観察していて下さいね、
一晩経過して冷え切ったシロップ(蜜)の表面あるいは内部の一部が糖化していたら仕上げ時です。
密の一部が糖化しているのを確認すれば、今度は砂糖ではなくブドウ糖を1カップと水1/3カップを加え、火にかけ沸騰させます。
栗の芯まで熱くなれば栗だけを鍋から取りだし、自然に乾燥して表面が糖化するのを待ちます。
これでマロングラッセの完成です。保存にはアルミホイルが適していますし、これ以上の栗の乾燥を防ぎますね・・・
マロングラッセ、お試し下さい。
その後の報告
お忙しいのに親切丁寧なご回答ありがとうございました。
マロングラッセは渋皮煮とは違い渋皮を取り除く必要があるなんて知りませんでした。いろんなサイトをみても渋皮煮から仕上げるように書いてあり、違いにびっくりしました。
ご回答を読んでいるうちに、熱くなっている自分を押さえ切れませんでした。新鮮な栗が入り次第挑戦してみます。
またご報告致します、有り難うございました。
その後の報告(2)
とっても嬉しいです、それらしいのが出来上がりました。この感動、どうお伝えすればいいのやら・・・
周りの友達に自慢することったら、・・・お分かり頂けます。
ブドウ糖を使用?????するなんてどこのレシピにも書いてありませんよね、どうしてですか・・
お暇なときにでも教えて下さい。ホントに有り難うございました。
【アドバイス】
ブドウ糖は、砂糖のざらっとした粗っぽい結晶を防ぎ微細な結晶をマロングラッセの表面に作ります、一種の水飴的な作用を利用しています。
でも水飴はブドウ糖の代役にはなりません。
注意することは、ブドウ糖を入れすぎるとクドい味になりますので入れすぎないことですね、ブドウ糖比率は下記参照下さい。
如何に舌触りに優しい微細な砂糖結晶を栗表面上に作り上げるかがプロの技の見せ所ですね、
密を煮詰めすぎるとマロングラッセ表面は厚くてざらついた結晶で覆われてしまい栗自体も堅くなりますので注意が必要です。
蜜が濃くなってしまったらお湯を入れて再度加熱し調整してください。
ブドウ糖は砂糖の20%位まで・・・アバウトですが・・・ 砂糖 4 : ブドウ糖 1
<補足>多数のご要望がありましたので、マロングラッセの詳細レシピを制作・完成致しました。
マロングラッセの詳細レシピはこちら
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