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こんにちは。お菓子作りは得意のはずの私ですが、昨日から、2回にわたって、焼いているシフォンケーキがうまくできません。どうにか、原因を教えてくれる人はいないかとネット検索をするうちにたどりつきました。プロの方のアドバイスが聞けるなんて!よろしくおねがいします!(T.K.さん)
<回答91>



(ご質問)
とっても綺麗に焼けるのですが、型からはずしてみると下の方に大きく穴があいている状態なのです。たべてみると、ふわふわでおいしいのですが。
1回目はテンパンの上で焼いたので、2回目はテンパンの上に網を載せて、その上にのせてみました。
オーブンは電気です。どうか、ご指導をお願いします!以下、レシピです。

<20センチ型 紅茶シフォン>
 卵黄 6個分
 紅茶液 170cc
 茶葉 20グラム
 サラダ油 90cc
 薄力粉 120グラム
 卵白 240グラム(7個)
 グラニュー糖 110グラム

 180度で35分焼く

これは2回目に焼いた、ベーキングパウダーを使わないレシピです。この失敗ケーキの映像を添付しました。
1回目は別のベーキングパウダーありのレシピでオレンジシフォンを焼きましたが、これのほうが、もっと縮んでしまったんです。
(これは食べるとチーズケーキのようにつまったかんじでした。)なぜなんでしょうか・・・。
悩んでしまい、夜も眠れません。よろしくおねがいいたします。

<プロからのアドバイス>
また添付ファイルをお送りいただき症状も、よく分かりました。夜も眠れない様子の** さんのお悩みご同情申し上げます。
シフォンケーキのご質問は、過去何度か回答させていただいておりますが、このケーキは非常にデリケートでそれだけに失敗例も多いお菓子です。
このケーキの詳細説明するだけで一冊の解説書になってしまいますので、ご質問に絞ってお答えいたします。

> とっても綺麗に焼けるのですが、型からはずしてみると下の方に 大きく穴があいている状態なのです。
考えられる一番の原因は、卵白の泡たて過ぎか、そうでなければ気泡が弱い(腰がない)ためと思われます。気泡がしっかりしているならば、泡立てをもう少し控えめにすればよいでしよう。(気泡がしっかりとしているのと、卵白をしっかり泡立てるのとは意味が違います)
もう少し詳しく述べます。
焼く上がり生地の中に大きな穴があいているのは、泡立てた小さな気泡の一つ一つが弱いために生地温度が上昇するにつれて壊れ、ひとつの大きな気泡の固まりになってしまうからなのです。
一つ一つの気泡膜がしっかりとしていればこのような結果になりにくいのです。
卵を割ったときにもお分かりだと思いますが、新鮮な卵は粘りが強く盛り上がっているものですが、水状態に近いものほど、腰(粘り)も弱くいろいろな失敗の原因となります。

レシピ通りの配合に忠実にすることは大切ですが、材料にも気配りが必要です。
特にシフォンケーキは卵の腰の強さで、仕上がりが大きく変わってきます。卵の腰の強さは鮮度はもちろんですが季節によっても気温によってもちがってきます。(冬に作った時にはうまくいったが、夏期には失敗するのはこのためです。)

腰の強い卵白を作るには・(卵白をしっかり泡立てるとは)・・・・
鮮度のよい卵白を冷蔵庫で冷やしておきます。
最初から砂糖を加えず、十分にほぐし、一割ほど泡だった位で砂糖の三分の一を加え、一気に泡立てます。
(外気温の高い夏場は泡立て途中でも腰が弱くなりやすいので注意)
目標の半分くらい泡だったところで残りの砂糖を加え、さらに攪拌を続け、仕上げ手前で低速で気泡状態を細かく均一にしあげます。
上手に出来たものは、緻密で光沢が有り、すくい上げたその切れ目は折れ曲がらず、鋭いペン先のように尖っています。

このほかに考えられる原因を簡単にご説明いたします。
生地中の水分量:
水分量の多いものは、しっとりとしたものが出来ますが、粉あわせを正しく均一にしておかないと沈み込み、底辺あるいは上部が生焼け状態になります。
粉の粘度、粉に含まれる水分:
季節の温度・湿度によって粉の粘り具合が変わってきます。ケーキに使用する粉はやはり鮮度の良い内に使い切って下さい。湿気を吸った古い粉は粘りやすく、浮きが悪く特にこのケーキには不向きです。
オープン上火下火調整:
シフォンのように背丈の高いものは、焼き始めは下火を、上がり際には上火で調整するのがいいのですが、これはそれぞれのオーブンの癖を知ることで解決できるものとおもいます。
膨張剤:
シフォンの場合あまり膨張剤を使いませんが、他に原因もなく浮きが悪い場合には使用するのもいいかもしれません。十分に泡立っているのに膨張剤を併用すると、火の通りも悪く縮む原因ともなり、また大きな空気の固まりが生地の中にできてしまいます。

最後に配合で気になるのですが、20センチ型での紅茶液 170ccは、やや多いかなと思われます。
もちろん濃縮されていると思いますが、出来上がりに縮む原因の一つになります。
20センチ型での場合、紅茶液量 50−70cc位で良いと思いますが・・・これで紅茶風味が薄ければ170ccの紅茶液を50−70cc位まで濃縮して使用することをおすすめします。

以上、簡略でのお答えですが思い当たるところがあったでしょうか・・・ぐっすりと眠れば良いのですが・・・・
では、

(T.Kさんの返事)
駿河屋さん、大変丁寧なお返事、どうもありがとうございました。たいへんべんきょうになりました。沢山かいていただいた中でも、特に卵のことが気にかかりましたので、買ってきたばかりのものを使ってみました。泡立ても、念を入れて、ハンドミキサーでの最高速で8分やりました。
あわせて、ナショナルのオーブン料理相談室に聞いた話によると、一番下の丸皿において焼くということ。

それから駿河屋さんにメールを送ってから気がついたのは、シフォン型が、うちのは、鉄に樹脂加工をしたものだということでした。ほんによっては、「アルミがお勧め」とちゃんとかいてあるようですが、そうとも知らずに安さにつられて樹脂加工のものを買ってしまったのです。
焼いてから逆さにすると、一部生地がはがれて落ちてきてしまうということもあったし。そこで、シフォン型の会社に電話で問い合わせてみると、「下の方に穴があく」という苦情は多いのだそうです。
その人いわく、「樹脂加工のものは、アルミのものより熱伝導率が低いため、生焼けになりやすいので、レシピより10分ほど長く焼いてください。」ということでした。でも、それならそうと注意書きに書いておくべきだとは思いませんか?

以上の3点と、レシピをナショナルからもらったものに変え、焼いてみたところ、一応だいぶ高さのあるものが焼けましたが、やはり、完璧ではありません。
そこのほうの中心部がへこむのです。(シフォンケーキに見えるようにはなりました。)
この際、アルミ型を買ってきてやってみようかと思っているのですが・・・。安いのを買ったはずが大出費ですよね−・・・。
でも、だいぶ希望が見えてきたことは確かです。私の家族や近所の友達は、失敗作のシフォンを毎日食べさせられて気の毒なんですけどね〜・・・(^〜^;)

駿河屋さんのご親切、本当に嬉しかったです。こんなに一緒に考えてくださる人がいるなんて。これからも、アドバイス、がんばって続けてください!
アルミ型のことについて、ご意見をお聞かせくだされば幸いです。

(結果報告)

成功しました!@^0^@
今日、念願の成功シフォンをつくることができました〜!!!天井の平らなバナナシフォンケーキを焼くことができました!
食べてもおいしいし、、3歳の息子も「ママ、大成功!!」と誉めてくれています。
これも駿河屋さんのご指導と私の根性の賜物とほんとーに感謝感激です!!
卵は朝どりの地鶏のもの。泡立てたときの量、つやの違いにびっくり。焼き時間はレシピより10分増し。まぜかたはさっくり。
この3点に重要なポイントが隠れていたようです。まだ、少々課題はありますが、とにかく嬉しいの一言です!
この喜びを伝えたくて、、、。本当にどうもありがとうございました。
映像、見てくださいね。     

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