<プロからのアドバイス>
確かに長いように感じられますが、滑らかな口当たりのものを作るには、当然かつ最低限の処置です。でも長く煮続けたから良いものが出来るというものではなく、素材の条件も必要です。
<回答59>でもお答えしている通り、十分に蒸らして出来た生餡を使って作った餡でなければ、いくら長く煮続けても滑らかなものは出来ません。
ご理解をいただけるかは分かりませんが、プロの菓子作りの現場では、でんぷんと砂糖との相性抜きには仕事が成り行きません。
あんこを作る場合でも、豆の選別から始まり、その豆の癖 (収穫された土地・熟成度・選別の善し悪し・皮の組織・吸水力・アクの優劣・風味の善し悪し・砂糖との相性など)を知り尽くした上で、いかに美味しい部分を引き出すかの戦いです。
しかし素人の方にこれらの知識を要求するのは無理でして、どうしても時間を基準にしてしまいます。あんこに砂糖液が浸透(厳密な意味ではありませんが・・・)するには、それなりの時間と温度が必要です。時間と温度が必要といっても、餡が吸水性のよいものでなければ無意味ですが・・・・、
"なめらか"という条件を満たしてやる場合には、最低10分間コトコトと炊いてやり、餡の中に砂糖密が浸透する時間を与えてやる必要があります。反対に必要以上に炊き続けると風味のないマズいものとなります。
これを見た目でどの程度まで煮ると良いかの、ご質問には文章だけでは無理があり、出来上がったものを自身で試食するしかない方法がありません、ゴメンなさい・・・
分かりやすい例で述べますと、シチューなどの煮込み料理を思い浮かべてください。
短時間の煮込みでも食べられますが、コトコトと煮込むことによって材料の持ち味が引き出され、滑らかな舌触りとなり、他の素材と融合しあっておいしいものに変化するのです。
でもいくらコトコトと煮込むといっても、馬鈴薯・タマネギ・肉などの素材の選択を誤っては何にもなりませんね。
また急いで炊いたご飯はおいしいでしょうか、十分に蒸れていないご飯も同じこと。それぞれの素材の風味を引き出すのには、その材料の特性を知った上で作らなければ、おいしいものが出来ません。見た目で判断してはダメダメ
> ざらついて、なめらかに作れません。
<プロからのアドバイス>
このお答えにも、原因が山ほどありますが、主なものは
1.薄い砂糖密から徐々に濃度を上げて行ってない(水分量の不適切)
2.寒天の吸水不足による不溶解(十分に膨らんでいない)
3.先にお答えした煮込み時間不足
4.もともとザラザラしたあんこを使用している。(小豆・生餡の粗悪品)
> 寒天は、粉、角、糸と種類がありますが、水羊羹にむくのはどれですか?
水羊羹にむくのは角寒天と糸寒天が適しています。
角寒天の場合は、3、4時間、
糸寒天の場合は、一夜(12時間)水に漬け十分に膨らんだものを使用してください。
正直水ようかんの解説だけでも一冊の本になるくらいですので、ご理解いただけたかは疑問ですが如何でしょうか、
(Y.Uさんからのご返事)
早速のお答えありがとうございました。
大変丁寧に、また、納得のいく説明をいただき、たいへん感謝しています。
私はあんこが大、大、大好きで毎日のように食べているのですが、和菓子って見た目にもかわいいし、作るのも大好きなんです。
なので、色々と勉強しているのですが、和菓子って奥が深いですよね・・・
和菓子屋さんてすごいなぁーっていつも思っています。お嫁にいきたいくらい!!
水ようかん、あんを煮るところからもう1度作ってみました。(慎重に・・・)前回よりもずっとなめらかな水ようかんが出来たと思います。
水ようかんがおいしいと言われている和菓子屋さんで買ってきて、食べ比べもしてみました。
おんなじくらいおいしくできた!と、自分だけで思って満足しています。
(もちろんプロにはかないません・・。)
こんなステキなページがあったんですね。これからもお世話になるかと思いますがよろしくお願いします。
京都のお店にもいつかお伺いしたいです。ほんとうにありがとうございました。
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