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抹茶シフォンケーキの作り方 |
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ここではちょっと難しい抹茶シフォンケーキを取り上げましたが、製造工程は他のシフォンケーキと何ら変わりませんので、参考にして下さい。 |
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● 使用材料 シフォンケーキ型(17センチ)2個分 |
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1.卵黄 ・・・・・・・・・ 1.上白糖 ・・・・・・・ |
6個分 (130gでした) 40グラム(卵黄を泡たてるのに使います) |
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2.サラダオイル ・・・ | 60グラム |
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3.水 ・・・・・・・・・・ 3.抹茶リキュール・・ |
60グラム 80グラム (水と合わせておきます) |
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4.薄力粉 ・・・・・・・ 4.抹茶 ・・・・・・・・・ |
110グラム 20グラム (薄力粉と一緒にして篩っておきます) |
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5.卵白 ・・・・・・・・・ 5.上白 ・・・・・・・・・ |
8個分 (計量結果270g 冷やしておきます。) 90グラム(卵白を泡たてるのに使います) |
● 準備する道具 |
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シフォンケーキ型(17センチ ) 2個 |
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ホイッパー(電動ミキサー) ゴムへら 粉篩い パレットナイフ ボール(30センチ径くらいのもの2個 |
● アドバイス・勘どころ |
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・シフォンケーキ型にはバター・油は絶対に塗らない、紙も敷かないこと。 ・シフォンは新鮮な卵を利用して、きめ細かい泡立てと、上手な粉あわせに尽きます。 ・生地が出来上がれば直ぐに焼けるようにあらかじめオーブンを暖めておいて下さい。 ・出来ればスポンジを焼いた後の釜が安定している状態がベストですね、 ・電気やガスなどのオーブンによって癖があり、それらのクセを熟知することも大切。 |
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● 作り方 |
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(1) シフォンはタイミングが大切、作業しながら材料をその都度計量することはやめ、使用する材料は前もって計量し、粉類は丁寧に篩っておくこと。 卵白は冷蔵庫などで冷やしておくこと。 |
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(2) 卵黄は糖分で凝固する性質があるので、充分にほぐしてから砂糖をいれること。 黄味ダマをつくると食感が悪くなる。 |
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(3) 卵黄が充分にほぐれたら篩っておいた砂糖を加える。 |
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(4) 泡たて直前の様子、まだまだ黄色いですね・・・ 電動ミキサーがあれば利用して下さい |
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(5) ふんわり、ぼったりとしてくれば完了。 |
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(6) 計量しておいたサラダ油を一度に加え、ホイッパーで手早く混ぜる。 |
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(7) 続いて、水と抹茶リキュールを同時に加えて素早くホイッパーで混ぜます。 |
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(8) 続いて篩っておいた(抹茶+薄力粉)を全量加えホイッパーで手早く混合する。 ここまでの作業をスムースにするために、事前に材料の計量、粉類・砂糖は前もって篩っておくこと。 |
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(9) 粉のダマが出来ないように全体を見渡しながら平均に混ぜていきます。生地の変化、艶に注意すること。 最初は艶も無く粉っぽいが、混ぜるにつれて艶が出てきます。 |
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(10)重要なポイントです。 すべてが均一に混ざれば、それ以上は攪拌しないこと。 生地が滑らかになり、生地表面に艶が出てきたらそれ以上は攪拌しないこと。生地に粘りがでると、浮きが悪くなり失敗します。 続いて卵白の泡たてにかかります。 |
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(11)メレンゲを作る。 まだ砂糖は入れません。 冷やしておいた卵白をホイッパーでゆっくりと攪拌し、卵白をほぐしていきます。充分に卵白がほぐれれば、砂糖を半量入れ泡たてていきます。 |
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(12) 卵白が40〜50%くらい泡たった頃に残りの砂糖を加え、一気に泡たてていきます。ホイッパーよりも、電動ミキサーをお勧めします。ただし電動ミキサーはきめが荒く仕上がりますので、スピードに注意しきめ細かく仕上がるようにしてください。 電動ミキサーのホイッパー形状は丸い針金仕様のものがベストです。 |
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(13) 新鮮な卵白が不可欠です。0 この卵白の泡たて作業はとても大切で、ゆっくりしていれば腰の弱い生地になり、焼成中に陥没したり、大きな穴が生地中に出来たりします。腰のある、きめ細かいメレンゲに仕上げて下さい。 |
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(14) 写真の様にホイッパーに絡みつき落ちなくなった頃から慎重に気泡状態を見ながら進めて下さい。 このころからは泡立てるというよりも、泡をきめ細かくすりつぶす感覚で進めます。 |
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(15)重要なポイントです。 写真の泡のツノを見て下さい。少しおじぎをするくらいの堅さがベストです。まっすぐピンとして曲がらない状態では泡立てすぎです。泡立てすぎると、生地中に大きな穴が開いたり、底の部分に凹んだものが出来上がってしまいます。 |
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(16)重要なポイントです。 メレンゲは全量の三分の一ずつ加えていく。 最初はメレンゲの3分の1を(10)の生地に加えます。 この作業も仕上がりに大きな影響を与えますので慎重に手早く進めるようにして下さい。(ここからはホイッパーを使用しないでください) |
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(17) どうしてメレンゲ全量を一度に加えないのかと云えば、全量を加えると混ざり切るまでに時間が掛かり生地に粘りがでるのと、メレンゲの泡が消え腰が抜けてしまい、浮きが悪くなってしまうからです。加えたメレンゲが8割位混ざると、残りのメレンゲの半量を加えて更に混ぜていきます。 |
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(18) この辺からは生地も柔らかくなって来ますので、常に全体を見渡し、生地全体が均一に混ざっていくようにゆっくりと注意しながら進めて下さい。 |
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(19) (16)〜(18)での工程を経て、生地がほぼ均一になれば、残りのメレンゲを入れて丁寧に混ぜていきます。 大きな気泡が入らないように注意して下さい。 |
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(20)重要なポイントです。 生地もかなり柔らかいものとなります。 生地表面の艶の変化、生地の粘り具合わ慎重に見極めながら、生地全体が均一になるように進めて下さい。 |
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(21)重要なポイントです。 写真だけでは解らないと思いますが、この段階での生地の調整具合(ぶかぶかし過ぎず、粘りすぎず・・)が出来上がりの成否を決めてしまいます。 大きな気泡が入らないように注意して下さい。 |
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(22) シフォンケーキ型に流し込みますが、生地中の大きな気泡を取り除くために、30センチ位の高さからゆっくりと流し入れて下さい。 一度に多量入れてしまうと、大きな気泡が入ってしまいますので慎重に・・ |
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(23) 流し込めば、型を軽くトントンとテーブルに打ち付け上部に大きな泡を浮かせて箸などで混ぜ潰しておくこと。 やりすぎると、生地が沈んでしまいますのでやりすぎないようにして下さい。170〜175度に暖めておいたオーブンにいれます。 |
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(24) 6〜7分もすれば生地が浮き上がり、表面も少し皮ばって来ます。このときにナイフやパレットナイフで、写真のように生地表面に4、5箇所切れ目を施します。(火通りをよくするためと底部を平にするためです。) 生地にショックを与えずに、素早く作業を進めて下さい |
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(25) 上火の火加減に注意 15分過ぎの状態。表面はほんのり薄いきつね色、この時点で上面が黒っぽく焦げていると生地中への火通りが悪く、焼き不足による落ち込みの原因となりますので注意して下さい。 |
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(26) 写真の状態で膨らみ100パーセント。オーブン温度は180度に保たれていますか?・・・中までしっかりと焼き上げて下さい。 可能ならばオーブン下火を弱くして下さい。 |
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(27) ほぼ、30分で焼き上がりました。(オーブンにより時間差有り) 少し表面が焼けすぎなのは抹茶が入っているからです。 このように全体に高さが整っていれば良いのです。 |
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(28) ビール瓶やワイン瓶を利用して、逆さまにして完全に冷えるまでこのままにしておきます。 火通りが順調だとボトンと落ちることはありません。 |
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(29) 抹茶シフォンケーキのできあがり。 完全に冷めれば型から取り出します。小さめのパレットナイフを型枠とシフォンケーキとの間に差し込み取り出します。 |
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(30) 仕上げは貴女の腕次第・・・・ |
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● 応用編 |
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使用材料 シフォンケーキ型(17センチ)2個分 |
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ノーマルタイプ | 蜂蜜シフォン | |||
1.卵黄 ・・・・・・・ 1.上白糖 ・・・・・ |
6個分 40グラム |
6個分 30グラム | ||
2.サラダオイル ・ | 60グラム | 60グラム | ||
3.牛乳・蜂蜜・・・ | 70グラム | ※1牛乳60g+蜂蜜80g | ||
4.薄力粉 ・・・・・ | 150グラム | 150グラム | ||
5.卵白 ・・・・・・・ 5.上白 ・・・・・・・ |
8個分 90グラム |
8個分 40グラム |
● シフォンケーキ QA
菓子作りQAコーナーの回答から抜粋しました。 |
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Q1:シフォンケーキの一部が生焼け状態? |
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この原因は単に焼成工程だけにあるのでは無いのです。
材料の品質管理から製造工程に原因が有ることも多いものです。 生焼けの原因は、1.火通り(熱伝導)の悪い生地にしてしまったり、2.焼成中に熱伝導を阻害してしまったことにあります。 1.火通り(熱伝導)の悪い生地: Q3とQ4をご覧下さい。メレンゲ気泡の不揃いも原因のひとつで、これが生地の沈殿を生じさせ下部の生焼けの原因になります。緻密なメレンゲ作りを心掛けてください。 レシピ(13)〜(14)参照
2.焼成中に熱伝導を阻害する。
理想的なオープンは、上火と下火の調製可能なものですが、特にシフォンの場合には大切です。一般的にシフォンのようなカステラ・スポンジ生地は、最初は生地を浮かせる目的で下火を効かし、最後は上火で仕上げるものと理解して下さい。 焼き始めの温度は、最終焼きあげ温度より10度ほど低めの設定しスタートして下さい。 (例えば、170度で焼き始め180度で仕上がるようにするのです。)
3.オーブンの容積に注意 シフォンケーキは他のケーキに比べてかなり背の高い形ですので、上部が生焼けになりやすいことに気をつけて下さい。シフォンケーキの場合はオーブン天井とシフォンケーキ上部との間隙は5センチくらいは開ける必要があります。これくらいの空間を確保し熱伝導(対流)を良くしなければシフォンケーキ上部に熱が伝わりにくく生焼けになりやすいのです。 オーブンの容積に応じた大きさのものを焼くようにして下さい。 また(24)でも述べましたが、焼成中の物理的な衝撃は極力避けて下さい。 生地が浮き上がろうとしている時点は、非常にデリケートな状態にあり、この時にショックをあたえると、自身の重みで沈み込んでしまいます。こうなりますと火通りもせず生焼けとなり、取り返しはつきませんので焼成中での扱いは慎重にして下さい。 |
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Q2:シフォンケーキの底や周囲、あるいは中に大きな溝、空洞が出来てしまう?? |
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これらの原因はホントにたくさん有ります。 まず多いのは、卵白の泡立て過ぎ、続いて生地に粘りが生じたこと。 それから、抹茶やココアなどの微粉材料を加えた事による粘りが原因も有り、 まだまだ有りますね・・・ ・卵白の腰が無くなってしまったもの(古いたまご・冷やさずに泡たてた)を使用した。 ・バナナや果汁等を加えたが、配合バランスが崩れているもの。 |
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Q3:どうして大きな穴があいてしまうのか? |
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シフォンケーキは、普通のスポンジよりも泡の比率がとても多いものです。だからふんわりとしているのですが、この泡の多さが原因なのです。 卵白の気泡は腰(表面張力)がしっかりしていれば、オーブン中の加熱でも壊れないのですが、腰の弱い(或いは弱くなった)気泡は熱やショックに遭うとすぐに壊れて気泡同士が結合し合い、大きな空気の固まりとなってしまうのです。 シフォンケーキの成否はまさにこの気泡との戦い、いかにしっかりとした気泡を焼き上がるまで維持するかが勝負どころですね。 だからといって、気泡を必要以上多くするのも考え物ですよ、・・ 気泡はまさに空気の層、断熱作用がありますので、過多な気泡は火通りを阻害してしまい、シフォンケーキの中心まで火が通りません(焼けなくなってしまいます)。 気泡が壊れず、火通りの良い生地に仕上げることが大切なのですが・・・・・ |
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Q4:小麦粉の粘りすぎに注意? |
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これはシフォンケーキばかりでは有りませんが、粉を必要以上攪拌して生地に粘りが出てしまいますと、生地の浮きに悪影響を与えます。 小麦粉にはグルテンというタンパク質が含まれていて、これが過度の攪拌によりケーキ生地に粘り気が出てきます。 生地が粘ってしまうと、加熱によつて膨張しようとするときに延びが悪くなり、(生地が膨らみにくくなり)、更にソフト感のない堅いものになります。 粉選びに注意: 粉も卵と同様に新しいものを使用して下さい。ダマになっているような古い粉は、生地の浮きも悪くシフォンケーキには適していません。 ご質問にもあったのですが、ダマになりにくい粉を購入して失敗したとのこと、この粉は小麦粉100%ではなく、スターチなどの粉を入れることによってダマになりにくくしているだけで、シフォンケーキにはまったく不向きです、品質表示欄の小麦粉100%に注意し購入して下さい。 シフォンケーキはまさに、材料の性質を熟知しているものだけが成し得るケーキの芸術品なのです。 |
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Q5:蜂蜜を多く入れると上手くいかない?? 食塩は?? |
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まず下記のサイトの「蜂蜜」の項をご覧下さい。 http://www.surugaya.co.jp/school/kisogaku/sugar.html 蜂蜜に含まれる酵素は気泡を消す作用を持っているのです。 対処はこの酵素を無活性化するために牛乳と混ぜ暖めておくことです。 食塩は粉の粘りを増大させますので注意してください。(加えない方がベスト) |
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その他の注意すべき点です |
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季節によって配合比率は変わります。 夏場には小麦粉が水分を多量に吸収しているので、その分、加える水分量を控えること。 また夏場の粉は1ヶ月以上経過すると劣化が生じ、粘りやすく浮きが悪くなるものです。 (冬には上手く焼けるのに夏には失敗してしまう原因がここにあります) メレンゲ 特に夏場には鶏さんも体力が弱っていて、卵の腰が弱くなりがちで、張りのあるメレンゲに仕上がりにくいのです。高価ですが朝取りの新鮮な玉を是非使用してください。 水分を少なくすればしっとりした物に仕上がらないと思われるかも知れませんが、これは誤りで、しっとりした物に仕上げるには水分量よりも焼成時間を管理することでしっとりしたものに仕上がります。 |
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